少し前に、ひょんなことから
精神科医の先生のお話を聞く機会がありました。
初めて聞くココロのお話…。
とても興味深くて、いずれ機会があれば
もっと深く勉強したいと思うことばかりでした。
今回は、わたしの中で特に印象に残ったことを
紹介したいと思います。
過去に抱えたストレスへのトラウマは、心と体で感じたほうがいい
現代人が社会で生きていく中で、避けては通れない様々なストレス。
それとどう向き合っていくか、というお話を聞いていた時。
先生がこんなことをおっしゃいました。
人って大きなストレスを感じると、その時自分がいた土地や場所に戻ってきただけで、当時の「嫌だな~」って気持ちが沸き上がってきたり、寒気がしたりするでしょう?
あれって実は、心には必要なことなんですよ。
感情や体が追体験をすることで、それはもう終わったことだと心が認識して、ストレスを癒やしてくれる役割を持っているんです。
この話を聞いたとき、
わたしは目から鱗がポロポロ落ちました。
というのも、わたし自身がつい最近、ある場所を通るたびに
「嫌だなぁ」というゾクゾクする気持ちを抱いていたからです。
子どもが入院していた病院の前を通るのがツライ
我が家の2歳の息子は
今年の初めの方に先天性の病気で緊急入院し、
その後3ヶ月ほど入退院を繰り返していました。
(今は手術を受けて完治。おかげさまですこぶる元気です)
入院は親の付き添いが必要で
わたしも息子と一緒に病院の中で暮らす生活を経験しました。
退院していつも通りの暮らしに戻れたときは
それはもう嬉しかったです。
でもその後、用事などで入院していた病院の前を通るだけで
背中からゾクゾクと悪寒が走り…
息子と入院していた時の先の見えない、不安な気持ちが蘇るように。
あぁ、わたしはあの入院付き添い生活で
自分が思っていた以上にストレスを感じていたんだなぁと
毎回改めて思うのでした。
不安な気持ちが蘇るのは、悪いことではなかった
そして退院から半年過ぎても
未だに病院の前を通る度に萎縮してしまう自分のことを
案外ストレスに弱い人間だなぁ…と
少し情けなく感じてしまっていたのですが。
今回の心療内科の先生のお話を聞いて、
なるほど!と合点がいったのでした。
病院の前を通る度に感じる不安や悪寒は
決して悪いことではなくて、
わたし自身の心を調整して癒やすためのものだったのか、と。
感情は外に出して味わったほうが癒しになる
その話を聞いてからは、同じ場所を通っても
前よりも冷静に自分自身を観察できるようになりました。
ゾクゾクする感触や不安な気持ちは
前より小さくはなってるけど完全には消えていません。
でもそれがわたしを癒やしてくれているのだと思うと
この感覚もそんなに悪いものじゃないな~
と少し前向きに受け止められるようになりました。
その先生によると、
逆にそのトラウマ的反応が出てこない人こそ
心の内側で長くストレスを溜め込んでしまいやすい。
だからできることなら感情を外に出して
味わったほうがいいんだよ、とのことでした。
体と心の声に、もっと耳を傾けよう
トラウマに関してはその人の体験や思考によって
様々な捉え方や対処法があるものだと思います。
だけどわたし個人に関していえば、
先生のその説明が驚くほどストンと胸に落ちたのでした。
そして改めて、体と心の声に耳を傾けることは
健やかな精神を保つためにとても大事なことなんだなぁと実感しました。
わたしはとてもせっかちな性分で、
過去や現在よりも、未来のことばかり考えてしまう癖があるのですが。
自分の心と体がなにかに反応したと気づいたら
一度立ち止まって、その反応をじっくり味わってみる。
そういう「今、この瞬間」をおざなりにせずに
これからもっと大切にしていきたいと思います。
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